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政治家と法律家の相違

 政治家はマスゴミとまで揶揄される存在や大衆の声をこれほどまでに恐れるのに対して、法律家はなぜ恐れないのか。

 

 まず法律家は政治家と違いバカではない、と言うと語弊があるが、バカには絶対に就くことのできぬ職種なのだ。

 故に素人同然の一般市民やマスゴミ、或いは評論家などが専門領域において自分より正しいかもしれないということなど有り得ないと理解している。

 

 次に、法律家にとってそいつらは利害関係者ではない。

 全くもって支持など不要なのである。

 どれだけ騒がれようともそれで自分が引き摺り下ろされることなど有り得ないと理解している。

 

 法律家にとっての利害関係者は極論、顧客と裁判官のみである。

 極めて迂遠かつ穿った考え方をすれば政治家も影響を与えないではないものの、三権分立という建前と圧倒的知識差という実情の両極を以てして政治による影響なぞ殆ど無いのである。

 

 つまり人気商売ではないのだ。

 アイドルとスポーツ選手くらいの差があるのである。

 

 簡単に言ってしまえばこれだけだ。

 故に素人は法律を論じても一切相手にされない。金を払わない限り。

 基本的に、法学をかじったことのない人間は表現の自由言論の自由を勘違いしている。

 そんなことは法学部1年生でも分かっていることだが、指摘する者は少ない。

 素人と法律談義をすることは殆ど無駄だからだ。

 

 数学の素人は数学を論じたがらないのに、法律の素人はなぜ法律を論じたがるのだろう。

 同様に滑稽でしかない。

 

 ちなみに政治に関わるものが皆バカなのかというと当然そうでもない。そう、官僚だ。

 熾烈な競争を勝ち抜いた後も薄給激務の扱いの元でハゲ散らかしながら政治家を担ぎ、どうでもいいお祭りを任せ、その隙に日本の法案の8割を決めている。

 議員立法なぞ僅かなもので、しかも往々にして機能しないのだ。

 

 官僚の平均知能レベルより明晰な頭脳を持った政治家が果たして歴史上何人存在したことだろうか。

 かくて官僚国家となっている日本であるが、日本はそもそも風土として「政治家」という存在の活躍を許さない方向へと流れるのだからこうなるのは必然だった。

 

 加えて言えば日本はシンクタンクなどの官僚以外の政治組織の発展が極めてショボく、かと言って政治家になれば政治手腕なぞ評価されない。

 本気で政治の世界で手腕を発揮したらほぼ官僚になるしかないのである。