二乗三乗の法則
バカみたいに大きい甲殻類は陸上にはいない。
甲殻類は骨ではなく殻で体を支えているが、これがある程度の重さを超えると限界に達し、自重を支えきれず潰れてしまうからである。
脊椎動物も同じで、巨人のような大きさになると骨では自重を支えきれなくなり潰れてしまう。
ノミがあの構造のまま人間並みのサイズになったら何メートルジャンプできると思うか。
正解はゼロメートルだ。
ジャンプどころか立つことすらできず自重で圧死する。
これが現実だ、などという趣旨の話ではなくて、二乗三乗の法則というのがサイズ差で出てくるということなのだ。
ある立方体の一つの辺が二倍になると、その立方体の一面の面積は二乗になり、体積は三乗になるということ。
体積に比例する質量も三乗だ。
つまり、物体は大きくなればなるほど、単位面積あたりにかかる重さが増していく。
模型サイズでは上手くいく建築がそのままの比率で大きくしても柱が重みに耐えきれず崩れてしまうのはこういう理由だ。
しかし、実は人類がこの法則に気づいた時期は意外と最近で、数百年前までは知られていなかった。
それなのに人類は大阪城とか作っていたのだ。謎である。